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体力健康作り実践マニュアル ワンポイントアドバイス p207、2008. 「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」 山之内糖尿病予防研究所クリニカルデスク 山之内国男 |
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OSAS:睡眠時無呼吸症候群 |
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閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (Obstructive Sleep Apnea Syndrome : OSAS)は、いびきや過剰な日中の眠気などを主症状として、睡眠中に上気道の閉塞により換気停止のエピソードが低酸素血症を反復して起こす症候群である1)。男性の肥満者に多く、無呼吸中の低酸素血症やアシドーシスは夜間の心不全や不整脈の増悪、また急性心筋梗塞や原因不明の突然死などの循環器疾患との関連も指摘されている2)。耐え難い昼間の眠気により日常生活での身体活動性が著しく低下するため、いわゆるインスリン抵抗性症候群にみられる高血圧、耐糖能障害あるいは虚血性心疾患などの合併率も高い3)。呼吸中枢の障害によるものとの鑑別は、呼吸モニターにて胸郭の呼吸努力が認められるにもかかわらず鼻孔での空気の流れが停止してしまうことから閉塞性と診断できる。高度肥満のOSASでは、睡眠時のみならず覚醒時にも仰臥位で拘束性換気障害を来す重症例がある。その典型がDickensの小説(Pickwick Papers)にでてくる太った少年に由来するピクウイック症候群(Pickwickian syndrome)である。1.高度の肥満,2.傾眠,3.筋肉の攣縮,4.チアノーゼ,5.周期性呼吸,6.二次性多血症,7.右心肥大,8.右心不全といった主要な臨床症候に表されるように低酸素血症の持続に由来する種々の問題(中枢性の障害も合併してくる)が潜在する可能性がある。 簡単な保存的治療はないか 経鼻的持続陽圧呼吸(nasal continuous positive airway pressure;NCPAP)がもっとも簡単かつ確実な保存的治療で、無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index : AHI 回/時間)≧20ならば、必ずNCPAP治療を試すべきである4)(図1:NCPAP治療中の患者)。 AHI<20では、口腔内装置(oral appliance;OA)による治療を考慮する。主に、下顎を前方に数ミリ突出させ、気道を広げ鼻からの息の通過を良くし、いびきも軽減させる。 外科的手術はどういう場合に行うのか 鼻閉ではNCPAP治療が不適応になるため、鼻内手術が優先される。睡眠時の上気道の狭窄あるいは閉塞を予防するために軟口蓋咽頭形成術などの手術があるが、原則として肥満を是正してから行うべきである。扁桃肥大、アデノイド、鼻中隔湾曲症などが問題ならばそれぞれ摘出術、矯正術を行う5) 。 OSASの予防や根本的治療は OSASの予防や根本的治療には減量がもっとも大切であるがそれには食事と運動の併用がもっとも効果的である。運動を安全に実施するにはNCPAP治療を併用し6)、AHIが少なくとも20以下にまで改善することを確認する必要がある。特に高度肥満のOSASで覚醒時にも換気障害をきたす重症例では運動実施が禁忌となる場合もある。
文献 1)塩見利明:睡眠障害、特に日中の眠気の診断とその意義.日医雑誌 112(3):454-457,1999. 2) Rossner S, Langerstrand L, Persson HE, et al: The sleep apnea syndrome in obesity: risk of sudden death. J Intern Med 1991,230:135-141 3) DeFronze RA, Ferrannini E : Insulin resistance : A multifaceted syndrome responsible for NIDDM, obesity, hypertension, dyslipidemia, and atherosclerotic cardiovascular disease. Diabetes Care 1991, 14 :173-194. 4) He J, Kryger MH, Zorick FJ Conway W,et al.: Mortality and apnea index in obstructive sleep apnea : experience in 385 male patients. Chest 1988, 94: 9-14 5) 宮崎総一郎.耳鼻科的外科治療.山城義広、井上雄一編.睡眠呼吸障害Update, p137-141,日本評論社, 2002. 6) 山之内国男、臼井邦子、浅井敬子、矢島美智子、入山愛子、佐藤雄一、楠 正隆、榊原文彦、塩見利明、北村伊都子、佐藤祐造 :肥満睡眠時無呼吸症候群におけるCPAPを併用したインスリン抵抗性に対する歩行トレーニング効果. 肥満研究 1999、5:26-29. |
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