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日記2005 目次

世界遺産浸潤熱帯雨林へのツアー

クランダ浸潤熱帯雨林  3日目 

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ケアンズ近くのグレートバリアーリーフ以外のもう一つの世界遺産浸潤熱帯雨林へのツアーを選択した。ここは氷河期も比較的温暖だったみたいで1億数千年前から続いた世界最古の森らしい。往きはクランダ観光鉄道で曲がりくねった峡谷を登りクランダに到着。コアラを抱いて記念撮影。自由時間で動物園のカンガルーやワニや蛇を観察しチョウチョ園で戯れ、スカイレールというケーブルで帰路へついた。ケーブルは世界遺産の森の上を走っているが7.5kmにわたるすべての鉄塔は軍用ヘリをチャーターして鉄骨をそこで組み立てて作ったものという。赤字覚悟の個人の出資で何と36億円かかったとか。いまでは毎年何億の黒字だそうで大成功したそうだ。それにしても驚くことはケーブルから周囲を見渡してみてもどこもすべて森が拡がっていることだ。どれだけの動植物がこの大自然の恵みを受けて生活しているのだろうか。広さは異なるがふと有明干潟が無情にも何丁かそれ以上の生物を犠牲にして消失させた愚かさに気づかないばかげた政策を実行した人間がいる日本を思い出してしまった。世界遺産はそうした愚かな人間から自然を守る一つの世界的善行であろう。ケアンズのツアーはすべて日本人で当然日本語ガイドなので非常に内容がよく理解できこの旅をより興味深く印象的にした気がする。なまじ英語で聞いてもその10分のいくつしか理解できなければ旅の興味は半減する。我々は昔と違って英会話を勉強しているわけではないからだ(もちろん若い方、英語の達者な方は外国人ツアーで頑張ってくださいね!)。ガイドの説明で面白かったのはサトウキビ畑が延々と続いていてケアンズの一大産業となっているがそのなかで害虫であるハエが繁殖し困った揚げ句ハエを食べる毒蛙をよその国から輸入した話である。その結果、毒蛙はハエだけでなくその地方の色んな大切な虫まで食べて大繁殖し今では厄介者になっているとか。そこで考えたのが毒蛙の財布を土産物として加工して売り出すこと、でもどう見てもグロテスクで買う気になれなかったが今では土産物として買うべきだったと後悔している。自分も自然保護に一役参加できたかもしれないしブランドより思いでを選択できたかも。そういえば日本でも同じような話がある。沖縄のハブに対するマングースの話だ。イタチの様な沖縄では向かう所敵なしのマングースは結局はハブを絶滅危惧種としさらには農作物や他の沖縄固有の生き物まで食べまくる害獣と成り下がってしまったのだ。他にも色々ある。ルアー釣りで儲けるためブラックバスを外国(多分アメリカ)から輸入して池に放流したがいまでは日本古来の魚を食べまくり先住魚が絶滅の危機に陥っているというばかな話。こちらはもうけ話からきているのでもっといただけない。揚げ句にブラックバスのえさ用に一緒に輸入したブルーギルという魚もまた何でも食べる食いしん坊のやつでブラックバスは残念ながらこの魚が口にあわないときている。この魚はひれを広げるととげとげになっていてブラックバスの口の中は痛い痛い状態となってしまい結局期待に反して彼らと仲良く一緒に泳いでいるという惨状だそうだ。今ではあらゆる池やそれに注ぐ流れの緩い川はこのどん欲な2種類の魚がうようよしている。お魚たちの宝庫日本の代表的淡水湖琵琶湖自体がこのため絶滅の危機に瀕しているという。何とかブラックバスを食用として売り出そうという試みも余りうまくいっていないようだ。誰が輸入したか誰がこれを認めたかやはり目先の利益か自分の欲望を追及した報いが来ている。もっとも本人に報いが来ていないのはなんとも言いようがなく不公平な話だ。ようやく外来危険種としてこの魚が認定されたそうだが、ルアーの釣り人にとっては今では友人づきあいをしている仲なので始末にわるい。せっかく釣っても皆逃がしている。あらゆる努力もむなしく終わるのかな。だいたいもとのさやに戻るような代物では無い様な気がする。アメリカにいったときあらゆる池湖はこれらの魚で溢れていて他の魚は見当たらなかったし。かわいそうな日本の魚達、そちらの魚権があるとしたら輸入した人(いったい誰なんだろう?)はとっくに訴えられているはずだ。長々と別の話題にのめり込んでしまったが、うっぷんがやや晴れた。

国男

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