日記へ戻る

前のページへ
次のページへ

日記2005 目次

また一つかけがえのない若さが消えていくのを実感した日となってしまった。

階段で転倒 2005.3.02 水曜日 

item5

全くどじな話で昨日はとんだ日になった。博愛会病院でのことである。午前の外来も終わりに近い12時30分ころ、ちょっと患者さんの出入りの間にトイレにいくため診察室をあとにした。今日も忙しくてせっかく買ったハムサンドも食べる暇が無く確かにお腹が減ってはいた。しかしそれほど珍しいことではなく、いつものように階段を軽やかにリズミカルにひょいひょいと昇るはずだった。ところが今でも理由がわからないが、途中の踊り場でつまづいて前方へなんの防御もないまま転倒してしまった。ひだりてで体をかばおうとしたがむなしく顔面を階段の角でおもいっきり打ってしまった。目から火が出るとはこのことをいうのかと改めて実感した。すぐに生ぬるい液体が顔面をつたい白衣に許可なく侵入した。多くの患者さんが見ていた。慌ててトイレに駆け込んでティッシュでカバット裂けた額を押さえてまずは用を足し急いで外科外来へ飛び込んだ。運良く外来が終わったところで整形の先生がみえてすぐにナート(縫合)していただけた。内科外来では緊急事態がおきたと患者さん同士でうわさしていたようで、15分くらい後にもどって外来を再開したらそれからの患者さんごとに私の額の絆創膏をみてお大事にと慰められた。「先生ももう若くはないのだから注意してくださいよ!」とナースの言葉だけが耳の奥に焼き付いた。これからは階段も駆け足では昇れなくなった。また一つかけがえのない若さが消えていくのを実感した日となってしまった。

国男

前のページへ 次のページへ