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「SGLT2阻害薬に一言いわせていただきます」

 

   「国男のブログ」より 抜粋

やはりでたか学会勧告 2014.6.17

思った通り学会勧告

 「夢の新薬、何を食べても太らず痩せれる」とTVでもあほな報道がされて、患者さんからなんども問い合わせされ、丁寧に説明して使用を断ってきたSGLT2阻害薬。ようやく6/13学会からの使用上の勧告がなされた。たった一ヶ月の間にいわれていた尿路感染に加えて重症の脳梗塞(特にご高齢の患者さんは脱水になりやすい)、重症の低血糖、重症の皮疹などが続出とのこと。予測していた結果ではある。新薬だからどうしてもコントロールに難航している患者さんに使いたくなるのが人情であるが、この薬は作用機序からみても悪い人に使えば使う程副作用がでる可能性が高くなるという性格を持っている。お勧めは、「罹病年数が浅く,やや太り気味で、食事療法が守られる、高齢者でない患者さん向き、、」。だったら食事運動療法を徹底し、不足分はこれまでの治療で十分間に合うではないか。

 

発売前にメーカーで使用注意の講義で使ったスライド(右図)

 悪い事にこのタイプで4種類のお薬が発売され、関連するメーカーは8社?にのぼる。宣伝合戦に巻き込まれないよう、「一年間は使用しない,採用は最初の一つ(置き薬として)のみ、広報活動はしない、してもらわなくてよい」というおふれを出した。結果、訪問MRさんが一気に減った。外来が終わるとすぐに帰れる日が多くなった。こんな所に拘っている暇がないのも確かであろう(本当にMRさんご苦労様です)。メ-カ-にとって運の悪い事にすでに私が請け負った社内講義ではもちろんこの薬の注意点ばかり強調してしまった。これからは当面講義の依頼はないだろう。

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家が燃えてても煙だけ外に出して安心か? 2014.9.05

さらにきついお達しが、、

 

「それによると6月の勧告から低血糖,重度の脱水,脳梗塞の報告数がさらに増加。臨床試験ではまれであった薬疹や発疹などを含む皮膚障害の報告が前回の7例から500例と大幅に増加している。」

 

 SGLT2阻害薬。血中に溢れる糖を尿に捨ててしまう薬だ。血糖の高い患者さん程、大量の糖がでていく。みかけ(血糖値)だけ、つまり血糖値だけは下がる。ただ、体の中で起こっている問題は何ら解決されずに血糖コントロールは良好だと喜んでいる様なものだ。いわば火事が起こっていても煙だけ外に出して安心しているようなものだ。血糖が上がらないからインスリンの働きが悪くなり筋や脂肪は壊れていく。つまり体は崩壊していく。尿中には大量の糖がでていく。同時に水分が失われ脱水となる。当然水分補給の出来ない人は梗塞を起こす。腎機能も低下する。大事な電解質も一緒に奪われていく。電解質の異常は心臓の動きを邪魔する。コントロールの悪い人程、こういう事が顕著に起こる。新薬だからどうしてもコントロールに難渋している患者さんに使いたくなるのが人情であろう。だからこうなる事は初めから予測されることだ。私のようなあほな町医者でもわかる。だからこの薬は一例も使わない事に決めていた。これに関与する研究会にも出ない。糖尿病の薬は病態で問題の部分を出来るだけ正常に戻してあげるものでなくてはならないはずだ。非生理的な作用の薬は臨床では使いづらい。注意喚起を小出しにするより、一旦、使用をやめてみた方がいいのではないだろうか。学会の偉い先生方はどのように考えてみえるのだろうか?

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学会1日目はてんやわんやのアラカルト 2015.5.23

 

石井 均先生のご講演。その患者さんにフィットした個別の治療を決定していく上で患者さんとの人間関係が重要な鍵となると。いつものことではあるが先生は科学者であられるが詩人のような言葉で参加者の心をとらえる。

 それから2時間くらい時間が空き、海峡メッセの夢タワーに登った。祝DM学会様ということで入場券はどこも無料。30階の展望台からは下関が360度のパノラマで広がっていた。

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午後は巌流島ディベート、(1SU薬はいらない?、(2)1型運動療法の是非に関するものだが設定にやや無理があり論議にはなりそうも無かったかな。ただSU薬がいけないとかいいとか云う議論はゴルフでドライバーがいいのかアイアンがいいのかという話を聞いている様でもどかしかった。全く異なる機序の薬の優劣は比較が無理は当たり前で、それぞれが持つ特性をうまく調和して使用し患者さんにはベストな結果をお届けするものである。そのとき3本柱はSUBGDPP4阻害薬でありSUは低血糖を避けながら必要最少量で空腹時(ベースの)血糖を適切な範囲に維持すべき欠かせないお薬であろう。片方の先生が妙にSGLT2阻害薬を評価する発言は違和感を覚えた。SU薬の低血糖以上に非専門医にとっては危険性をはらむ。それにこの薬なら代用は他の薬でいくらでもできる。現に今までたくさんの副作用発生で世間を騒がした。質疑応答で南條先生、清野先生が私と同じ気持ちを述べていただけたのはよかった。

迫り来る予定満載の土曜日、一気に春に突入か!2016.2.05

昨日、久しぶりの研究会でマリオットアソシアへ。SGLT2阻害薬とは無縁の会なので出席することにした。意外に知られていない配合薬とメトホルミンのお話。自分にとっても有意義な会となったが、内容が珍しいのか100人を超える盛況で主催者側もびっくり。他の先生方も多分同じ上記の新薬の話ばかりの研究会漬けで飽き飽きしていたのであろう。二次会はタクシーを飛ばして藤が丘ASKビルへ。あらかじめ武司くんに連絡しておいたからエムユーで合流。しっかり寝ていたおかげで全く眠くならない。ママから今年初めてとお聞きしてびっくり。そういえばこれまでどこにも出かけていない早寝早起きの日々だった。ワイワイ盛り上がり11時半頃帰宅。

 

起床はいつもと同じ4時。一体どうしたのだろう?数日前の超眠現象が吹っ切れて睡眠時間は短いがすっきりした目覚めである。

SGLT2阻害薬で大変なことが起こっているのかも? 2016.10.19

ネットで見つけた質問

 ネットをながめていたらこんな質問が投稿されていた。最近このお薬に関して気になることが多い、どこかで発散したいが、研究会はだいたいこれらの薬をプロモートするメーカー主催のものばかり。

 これに関する研究会は「行かない、話さない」宣言中。

ですが、今日はこれについて書き留めてみたいと思います。

 

 SGLT2阻害薬について一言、

 一般の方にはなんのことやらさっぱりわからないと思いますが、今、糖尿病臨床の世界では新薬として沢山のメーカーがしのぎを削って売り出し中の薬です。この12年で一気に6種類も出回っています。

 糖尿病は血糖値が上昇して色々な合併症を起こすので、基本的にお薬は血糖値を下げるためにあります。高血糖は食事で吸収された栄養がうまく利用できずに、結果として糖が血液に溜まってしまうと言うことで起きるわけです。原因は栄養を利用するためのインスリンが不足している、または肥満などでインスリンが作用しにくいと言うことにあります。お薬はこの問題点を解決するお手伝いをするものと考えていいでしょう。

 ところがこの新薬は尿に糖を排出すると言う作用で血糖を下げるわけです。多少食べても排出される糖の分はエネルギーロスとなって痩せると思って、痩せ薬になると考えている方も見えます。大きな間違いですが、問題は、先の根本原因のどちらも解決せずに、ただ尿に糖を排出し続けるということ。 

 このため仮に血糖値が正常に近づいても、肝心のインスリンが分泌されないので(血糖が上昇しないとインスリンも分泌されないし、元々インスリンが出なくなっていることもある)、どんどん痩せる、しかも脂肪だけでなく大切な筋肉が減っていく、サルコペニア、フレイルといった衰弱状態に陥って、身体が壊れていく、ついには寝たきりになったりするわけです。

また尿糖と一緒に大量の水分が出ていくので(浸透圧利尿)、脱水が起こりやすく脳梗塞などの重篤な合併症が生ずる危険性が大であります。これらは特に調節能力が低いご高齢の方に起こりやすい。

 血糖値は代謝状態の指標、今身体が健常に保たれているかどうかと言う目安、が使い物にならない、例えて言えば、家が火事で大変な状態になっていても、煙を外に捨てているので火災報知器も作動せず、火事に気づかず、知らないうちに家が焼失していくようなものと言えるでしょう。

もし、この薬を使うとしたら??

 血糖を一時的に下げた時に、高血糖で(糖毒性で)低下した自分のインスリン分泌が再び回復してくる見込みがある場合、(そう言う患者さんは、大抵太り気味で罹病年数が短くて、比較的若い、23ヶ月間で確認できるはずなのでその間だけ投与る、それが比較的マシな処方かとは思います。ただそれはこの薬がなくても十分これまで対応できたことですし、従来の経口薬、インスリン、場合によってはこれまでの食生活を改めるだけでも達成してこれたことです。

これらの理由から私はこのお薬は使っていません!

元々ご高齢の患者さんが多い糖尿病外来でこの薬の適応する患者さんはあまりみえないのです。

 

それから最大の問題点!

 ついつい血糖コントロールが悪くてどうしようもない最後の頼みでこの薬を使ってしまうと言う医師が多くなっていると言うこと。心情はわかりますが、そう言う患者さんは既に自分のインスリン分泌が回復しない状態、つまり火事が治らずそのまま身体が燃え尽きてしまう可能性が高いのです。

 したがってこの薬が処方される場合、他の糖尿病薬は使わないか、せいぜい12種類で収まっていないと理屈が通らないはずです。何種類も、しかもSU薬が最大限使われている(もちろんインスリンも)状態は明らかに問題ありです。

 

しばしばみられる惨状の一例を提示させていただきます。

これはある医療機関で目にした専門外の先生の処方(右図)

 1.痩せ型60代後半の患者さんに。

 2.HbA1c10前後で血糖コントロールが改善しないので徐々にお薬が増えてついにSGLT2阻害薬が処方された。

 3.代表的な糖尿病経口薬は全て使われて最後の頼み。

 4.グリニド(4)とSU2.3)の併用は同じ受容体を使うので保険審査でもちろんカットされたが、、

 

最近では大規模スタディで心血管障害の発症率が有意に少なかったと言う結果を元に循環器の先生がDM外来とは別に処方しているとか。心不全の治療を比較したわけではなく、心不全の薬でもないのですから決してこういうことが起きてはいけません。知らずに別の外来で糖尿病の薬を併用してしまうことになりますし、とても危ない。

 このようなことが起きないように、いくらメーカー主催のプロモーション研究会でも過剰な宣伝はやめてください(研究会にでてないからはっきりわかりませんが、大抵、講演会の後、一気に処方例が増えているようです)。

 

特に非専門の先生方の前で過剰に効果だけを並べ立てるような講演はやめていただきたいと思います。

    切にお願いいたします。 

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研究会、久しぶりに街に出て、夜行性 2016.10.21

1020日(木)

 久しぶりに研究会で街に出た。今流行りのSGLT2阻害薬とは関連のないメーカー主催なのと、糖尿病学会の重鎮であられる門脇先生のご講演ということでお話が聞きたかった。参加された先生方も300人近くみえたのではないだろうか。門脇先生の前にK先生のご講演があり、先生独自の糖尿病治療一般論についてお話しされた。いつもながらその展開には人を引き込む説得力がある。ただ、最終的な経口薬の選択順序に関してはあまり一般的ではない独自の組み立てで、専門外の開業の先生方には誤解を招くのではないかとハラハラさせられた。自分もかなり興奮度が高くなっていくような気がしたところで、門脇先生の静かな口調での臨床、研究がミックスされた質の高いご発表があり、少し癒されて、冷静になれた。お二人のご講演でやはり良くも悪しきも今話題のSGLT2阻害薬の話題が出てくるのは仕方がない。

 ただ大規模スタディで心不全、またはその予備軍のような対象にこの薬を使えば、短期的には心への負担が減ることは間違いない。またこれが利尿効果によるだけではなく、別の薬理作用の可能性に研究者が興味を持っても不思議ではない。問題は薬理作用が面白いことと臨床で安全に使いやすいということとは全く別のことであるということだ。現に、この薬が出てきた時には色んな副作用が出た。今も症例報告、実臨床ではたくさんの問題点が指摘される(ただ悪い結果はメーカー主催の発表で報告しにくいし、好まれない、あまり世に公表されないだろうとは思うが)。あたかも心臓に良いというスタディの一部をとって、免罪符をいただいたというのは無理があるような気がする。専門外の先生に対しては慎重な発言が求められるのではないだろうか?こういう場では(特に非専門医の先生方の集まりでは)現在一般に臨床で専門医が実施している安全性の高い治療のスキルがまずは提示され、それに今後の治療での可能性を追加するという順序でお話しいただければ、誤解も生じないのではないだろうか。

ということで、会の後、盛大な情報交換会にも顔を出して珍しい先生方と少しお話しして帰路に着いた。

 帰宅してあまりの空腹にカレーライスの残りを少量ではあるが一気に食べてしまった。こういう食べ方は絶対しないようにと患者さんには言っているのに、夜遅く起きているとこういうことになりうるということがわかった。やはり生活のリズムをまずは健康的に保つことが生活習慣病の一番の治療なのかもしれない、、、

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キャッスルへ歩いて出かけて飲んで帰宅、医大DM同門会と講演会 2017.4.09

48日 土 雨

医大同門会と後の講演会、出かける前にデスクワークと水槽掃除をすませる。

中略

 

会計報告、新しく入局した先生方の紹介、15分くらいで完了。講演会は恒川先生の「夢のある〜」なかなか難しい内容も盛り込まれていたが、若い先生方の希望となることを願って座長のお役を終えた。2つ目の加来先生のご講演では患者さんの立場で治療を選択するという先生のお考えには大変同感できた。が新薬SGLT2阻害薬の効果を強調された形でまとめられたのはやや気になった。今騒がれている大規模スタディの効果はあくまでもFDAのガイダンスに沿って実施されたもので心血管イベントを増加させないことを証明するためのもの。対象も心不全を起こす可能性の大である高リスク群での評価。作用機序から完璧な利尿作用を発揮するこの薬がプラセボより短期的効果があることは当たり前ではないのだろうか。それよりも心血管イベントの抑制の有無だけが注目され当初発表された重大な副作用に関する安全性の問題が討議されなくなっていく風潮(特に若い先生方への影響が大きいのではと)に不安を感じる。JAMAの総説20153141010521062参)

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森本レッスンで初めて開眼自分のフォーム、夜はワクワク研究会 2017.12.01

1130日 () 晴れ

中略

 家内はまだ練習を続けていたが、私は限界がきてワクワクしながら帰宅。夜の研究会藤が丘サンプラザへ向かった。

本日は神谷先生のSGLT2ー阻害薬のお話ということで、聡明な先生はどんなお考えだろうと興味があった。やはり、色々最新の文献、研究結果を駆使してこの薬の効果と合わせてまだ未知数の可能性を列挙された。種々の作用機序が考えられて興味深い薬だと大抵の研究者は講演でこう言われる。だが忘れてならないのは興味深くて面白い薬が臨床的に手放しで使いやすい良い薬だというわけではない。(私がインディアナで携わった新薬の作用機序は生化学的には非常に興味深くてたくさんの論文になった。だが、その毒性(副作用)の問題で臨床には応用されなかった。)

 所詮この薬は強制的に血糖を尿に捨てることにより臨床効果をもたらすものであり、浸透圧利尿による種々の作用(または副作用)が効果の中軸になっている。インスリン分泌が回復してくる患者さん(もちろんDMでない患者さんも含まれるだろう)にはまだいいが、そうでないDM患者さんは(インスリン分泌が回復しない、もともと枯渇している、たいていは痩せ気味の方、高齢者に多い、日本人にはこう言ったタイプが多い)血糖上昇が抑制される分、それによるインスリン分泌もかなり抑制されて、脂肪や筋肉の分解が助長されることになるだろう。この様な作用が長期間続くのは極めて非生理的で、今の時点では糖毒性が取れたらさっさとやめるべき薬ではないかと思う。利尿作用で心不全を起こしやすい方の心不全や心血管死を減らしたからといって、大部分のDM患者さん、特にご高齢の患者さんに光明をもたらすものではなさそうだ。超肥満で脂肪分解が起こり脂肪肝や内臓脂肪までもが消滅する一時的効果が強調されて循環器だけではなく消化器の先生にまで使われているというが本末転倒。他のDM薬と知らないうちに併用されていたら大変だ。こういう使い方でも効果が得られた後、どこかで中止して本来の内臓脂肪を減らす治療に戻さないといけないだろう。もしむやみに長期に継続投与されれば、一定の体重を維持するためには尿から喪失する糖分を耐えず補って(過剰に摂取して)ず〜と浸透圧利尿による他の電解質や、筋肉、骨の慢性的な喪失を見逃すことになろう。

 大体DM学会では糖質150gは最低摂取すべきと言っているのに、低炭水化物食を長期間実施するのと変わらないではないだろうか? 従って使うなら短期間だと思うが、ただしHbA1cだけを指標にしがちな日常診療では中止による悪化に耐えられずズルズルとこの薬にはまり込んで行く危険性も考えられる

 ただし、神谷先生は最後のスライドできちんと「いつやめるかが問題である」という項目をつけられていた! やはり流石に先生は優等生だな〜、、と感心しながら退席した。

散歩中、我が家の仲間が突然増えた!お気に入りの自転車だよ 2018.2.04

23日 土曜日 晴れ

 

中略

 

研究会は前半脂質異常症の治療薬、後半はなぜかSGLT2阻害薬の話だった。

前半はまずまず参考になる話、後半ははっきり言って聞かなかった方が良かった。

大体、この薬の作用の本質をほとんどの演者は無視して話すが、それが極端になると危機感だけが残る。ただの強力な利尿薬としての作用は確かに心臓の負担を軽くするだろう。だからと言って心不全の薬でもないものをそれに効くからと言って糖尿病の血糖コントロールに使用するのが根本的に間違っているのだ。インスリン分泌のない患者さんに無理やり尿排泄で血糖を上らなくすれば、インスリン分泌はますます低下して、体成分の分解を招く。肥満者ではインスリン分泌が担保されているから決定的に悲惨な目には合わないかもしれない。それにより一時的な減量に成功することもあるだろう。ただ食いグセを助長して結局は体重が戻っていく(演者もそういう症例報告をしていたが食いグセには気づいていないようだ。出てった分食わなければ体重は減るだろうに)。血糖は確かに見掛けは良好だ。尿に捨ててるから当たり前だが、これでコントロールがいいと喜んでいるのは幼稚としか言いようがない。馬鹿馬鹿しい!

 昔、小児糖尿病でインスリンがなかった頃、炭水化物を食べなければ血糖が上がらないという治療をしていたのと同じこと。代謝異常の根本が解決しないまま非生理的な治療を続けることの恐ろしさがわからないのだろうか?

 まあ、これ以上言っても、もっと腹が立ってくるので止めます。品がなくなるしね、、

 

もっと腹を立ててる人がネットで投稿しているのでそちらもどうぞ!私とはちょっと違う観点でお怒りみたいですが、、、また、品は保証しかねます、、

歴史に残る」子供だまし」で検索するとヒットしますよ。概要を1番最後にコピーしておきますね。

 

 

 

「歴史に残る子供だまし」

略〜このEMPA-REG OUTCOME試験は、ナトリウム・グルコース共輸送担体(SGLT)2阻害薬エンパグリフロジン(商品名ジャディアンス)がプラセボに比べて心血管イベントを増加させないこと,つまり安全性を証明することを目的として行われた試験です.これはロシグリタゾンが提起した安全性の問題に懲りた米食品医薬品局(FDA)が08年から、新規の血糖降下薬については心血管系への安全性を評価するよう求めた試験のうちの一つです.略〜ーーーーこれまで、ジペプチジルペプチダーゼ(DPP)-4やグルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬などのインクレチン関連糖尿病治療薬を対象とした同種の試験で、いずれもその結果は,シロ.つまり,心血管イベントを増加させませんでした.EMPA-REG OUTCOME試験の試験結果も同様でしたから、ほっと安心、よかったね。この試験から得られる本質的な結論は実はそれだけのはずでした。略〜ーーーつまり、エンパグリフロジンが心血管リスクを減少させたと主張しているのは、10mg投与群と25mg投与群を「合算した」イベント数とプラセボの比較であって、10mg投与群と25mg投与群のそれぞれと,プラセボとを比較した通常の比較の場合には、統計学的な有意差がなかったのです。これでは子供だまし以外の何物でもありません.略〜ーーー

Zinman「驚くべき結果」, Krumholzが「歴史的」と表現したのは,合算群の10.5%がプラセボ群の12.1%に比べて,絶対リスクは1.6%(つまりNNT=62.5 !),相対リスクは14%減少、ハザード比にして0.86 (P=0.04, 95%信頼区間は0.74-0.99 !)というデータです。随分と際どい「歴史的」試験もあったものです.

それだけでも滑稽なのに,10mgと25mgの各群は、プラセボ群と有意な差がありません。(それぞれp=0.07, 95%CI  0.72-1.01, p= 0.09, 95%CI  0.73-1.02) これは実は想定内の当然のこと、つまり、どちらの用量も、心血管イベントを増加させなかったので、これこそめでたし、めでたし、よかったねと喜んで終了すべきことであり、このデータを、何か悪いことでも起こったように、論文そのものには肝心のイベント数は明記せず Appendixの中に埋め込むような真似をするから,「ずいぶんと見え透いたサル芝居」と言われるのです.略〜ーーー

お休みの過ごし方、たまには夜の研究会でリフレッシュ 2018.2.11

210日 土曜日 晴れのち小雨

中略

そろそろ研究会へ。頭を切り替えないとね。

 

 

本日の会の内容は高橋先生の開業クリニックでの取り組み紹介、緒方先生からは臨床的な症例提示、最後に岩岡先生からエビデンスに基づいたDM経口薬の使い方の解説。木村先生の企画らしく臨床的でメーカー色の少ない公平な視点から身近な問題を取り上げるというものだった。講師の先生のお話も解りやすくほぼ納得のいくものであった。が、SGLT2阻害薬に関してはどうも誤解を生じるような解釈が世の中まかりとおっているような気がして不安感を覚える。公平な立場でお話くださった講師の先生ですら、ADAのガイドラインを紹介しながら、BGの次の第2選択は色々あるが、肥満で心血管障害のハイリスク群(それのみ)には、、、SGLT2阻害薬を、、、、とまとめて見えるにも拘らず、、つまりエビデンスと称するFDA認可の論文でも母体の患者群はそのハイリスクに限られた群であり、我々が一般に投薬する対照とはかけ離れているなずなのに、、、よく注意しないと、いつの間にか忘れ去られて、いかにも心血管死を防ぐオールマイティーの薬であるような錯覚を抱かせてしまいそうになるのだ。

 少なくとも日本でこのSGLT2阻害薬の適応となる患者さんはかなり幅の狭い群である事は認識しておかないとね。少し方向がそれた解釈が、エビデンスと称して先行、拡大することの危機感を覚えるのは私だけだろうか??

 それでも討論で言いたいことは言えるし、色々教えていただくことも多かった。乾杯の音頭なども依頼されるということもあり、珍しく二次会情報交換会にも気分良く参加。

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二日酔いで昼から活動、健康志向のランチして、夜の研究会、ついに試したベルソムラ 2018.6.24

623日 土曜日 雨

 

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すぐに4時半、タクシーで研究会へ向かう。

 

 

瀬戸尾張旭糖尿病連携セミナー。いつもお世話になる陶生病院の吉岡先生、神経内科の湯浅先生、院長になられた循環器の味岡先生のお話で構成されている。

 

 吉岡修子先生からこの地区のDM患者さんを含めた医療の問題点をまとめていただき、DM合併症を減らすために早期に対策を立てる必要があることをお話しされた。病診連携の必要性、それをどのように具体化するかという内容にはとても共感できるし、なんとかしないとね。それにしてもこの地区の中心的な病院にいてとてもお忙しい中、さらに地域全体をまとめて行こうという意欲には敬意を払うしかない。

 湯浅浩之先生からは認知症がメインのお話が聞けた。アルツハイマーが急増しているが、なかなか治療は難しく、早めの対策と他の治療可能な疾患の除外診断が大切であること、地域で支えて行くサポート体制が必須であること、そしてすでにいろいろな取り組みがされつつあること、どんどん紹介してほしいという内容。頼もしい限りだ。

 最後に新しく院長になられた味岡正純先生のお話。循環器がご専門で日々超過激な診療スケジュールをこなしてなおかつ院長という役職に就かれたスーパードクターとお聞きした。予想どうりSGLT2阻害薬のお話が出た。循環器では心不全、心血管死が有意に減少したという治験の結果からこの薬が神様のように崇め奉られているのは聞いていたが、これほどとは、、立派な先生でさえそこまで信じ切ってしまうのかと、、あまりの偏りに思わず質問、自分の興奮が声に現れて声帯がかすれた。質問だったはずが、言いたいことを勝手にいう内容に変わってしまった。すみません。

研究会が終わってお隣で意見交換会。

浅井敬子先生がちょうど後ろに来ていて合流。久しぶりの会話が弾んでいると、先ほどの味岡先生がわざわざ見えて挨拶された。あのお薬の問題点で私の意見を聞きに見えたのだ。決して人の話を遮らず注意深く耳を傾けていただけたその穏やかな表情には先生の人柄がにじみ出ているような気がした。たくさんの患者さんが先生を頼っている現状が理解できた。私など足元にも及ばないご活躍中の先生に、偉そうに意見する立場ではなかったかもしれません。でも聞いたいただき、、もう一度ありがとうございました!

 

しかしながら、こうして立派な先生たちが盲信して行く現状も垣間見ることができた。新薬が売り出される時の爆発的な意図的な何か得体の知れない陰の力を感じてやや不安感が増して行く自分がいた。

気を取り直して記念撮影をお願いしてご一緒させていただいた。

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今や研究会では異端者になってしまったのかな?2018.7.15

714日 土曜日

中略

浅井敬子先生がオープニングすると言うことと瀬戸尾張旭の地域の会なので顔も出さないとね。

メインの講演の荒木先生は「高齢者糖尿病の認知症とフレイル」というまさしく超高齢社会の問題点に真面目な取り組みのご発表でした。がやはりSGLT2阻害薬が高齢者でも使えるぞ〜というメーカーの意図が見え隠れする会で、、サルコペニア誘発は避けられないこの薬にやや気を使いながらのご発表だったような気がした(誰も気づかなかったと思うけど、高齢者に関するちゃんと学会の勧告を提示して見えた)、、スポンサー付きの研究会では、何回も参加しているうちに多くの医師が徐々に洗脳されていく危険性を感じる(何も社会奉仕ではなくそれが目的だから仕方がないが、。なんせこの薬をプロモートしている製薬会社は10社以上DM薬を扱うほとんどの会社だからだ。

高齢者に使う必要は(危険が効果を凌駕するに決まっているから、)全く無いと思っている自分には徐々に疎外感を感じずにはいられない。何度も言うようだが、この薬に関してはHbA1cを指標にする投薬は全く意味がない。血糖を強制的に外に出す薬だからそこに問題点も多い(唯一当たり前だが強力な利尿作用で心不全に有効、これで良い薬のレッテルを貼ろうとしている)。騙されてはいけない、いつも言ってるが、火事の煙を外に出して安心してる間に家が燃えてしまうのと同じことが体にも起こるからだ。

 そこに落ち入りやすい罠がある。悪いことはインスリンが作用しないうちに(血糖上昇がないから、、特に痩せや高齢者ではインスリン分泌が不十分)脱水だけでなくじわじわと体内の大切なものが浸透圧利尿とともに失われていく密かに目立たないうちに、、サルコペニアは避けられない、、

、、私の恩師、坂本教授なら「当たり前だろうが、、」と切って捨てるように言ってくれたに違いない。しかし今や自分が少数派なのだろうか?? 常識が通用しない製薬連合軍が攻めて押し寄せてくる。大事がおこらないことを願うばかりだ。

 

意見交換会には顔を出したが、自分だけが異端者のように思えてきて早々に帰還した。

平凡な木曜日のはずだったが、、2018.7.26

 

726日 木曜日 朝曇り

 

中略

 

順調に外来が進行した。途中で少し患者さんがきれることもあった。が、、予約外の患者さんや、紹介状を書いて欲しいとか、ほかの病院からの紹介とか、結構時間のかかる患者さんがどんどん入り終わりの時間がどんどん遅れていく。

 

ついにやってしまったか〜!

極め付けは、、、2月まで当院で診ていた80歳の患者さん。ラクーナ梗塞と脳梗塞の既往があり、3月にもふらついて大きな病院で精査。脳幹部に梗塞指摘。間も無くリハビリ病院へ紹介された。それから4ヶ月の間、糖尿病の経口薬が変更され例のSGLT2阻害薬が使われた。担当医は循環器が専門だそうだ。奥さんに連れられて当院へ戻ってきた。HbA1cは(SU薬を使わず)7前後だったが、6前後になっていて、体重が67kg減少ふっくらした体型はやせ細って便秘がひどくなり下剤が大量に処方され、皮疹の抗ヒスタミン薬、頻尿不眠の安定剤まで出されていた。ふらふらになって見違えるように痩せた旦那さんを奥さんが心配して連れて見えた。A1cを指標にしているから担当医は大変な事が起こっていることに気づかないようだ。むしろ高齢者で心不全の予防になっているとさえ感じているのではないだろうか?血糖に対するA1c効果(効果と言えるかどうか問題があるが)はすぐに現れるが、副作用はわかりにくい厄介な薬だ。4剤の薬も10剤に増えていた。

 

 それらに対応して再度薬をまとめ直して時間がさらにすぎていく。

結局、1時間も延長して予約のMRさんの面会となった。大変待たせてしまってMRさんには平謝り。奇しくもMRさんの会社でも同種の薬をプロモートしていた(10社が出しているから当たり前だけど)。私は使わないからとこちらの件もしっかり謝って、、

なんとも偶然だが今日は森本レッスンがお休みの日だった。こんな日でよかったが、MRさんにもせっかく待っていただいたからしっかりと時間をかけて、、、

 

 いつもより1時間半も遅く、なんと帰宅は6時になった。

それにしても恐れていた事を目の当たりにして、実際にこんな事が世の中でじわじわ起きているんだとかなりの動揺。一体どうしたらいいのだろう? 

Kunio 2018.7.27